全教は、柳澤厚生労働大臣が1月27日「15~50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとはひとり頭で頑張ってもらうしかない」と発言したことを受け、安倍晋三内閣総理大臣に対し大臣の罷免を求めました。
2007年 2月 1日
内閣総理大臣 安倍 晋三 様
全日本教職員組合
中央執行委員長 石元 巌
柳澤厚生労働大臣の「暴言」に抗議し 即時罷免を要求する
1月27日、柳澤伯夫厚生労働大臣は、島根県松江市内で開催された集会で、「15~50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとはひとり頭で頑張ってもらうしかない」と発言しました。これは、女性を出産のための道具とする人権否定の発言です。また、教育基本法の改悪で「男女共学」が削られるなど、男女特性論が強まるもとで、戦時中、国策として女性が子どもを生むことを奨励した時代を思わせるものです。
私たちは、憲法、「子どもの権利条約」にもとづき、一人ひとりの子どもたちを尊重し、教育活動をすすめていますが、教育の現場においても「人間を道具」にたとえることは、許されるものではありません。また、今回の発言は、「少子化」の原因を女性の責任に転嫁するなど、厚生労働大臣としての資格にかかわる重大な問題であり、「発言訂正」や「おわび」ですむ問題ではありません。働く女性の約7割が出産を機に離職を余儀なくされ、待機児童を解消できない保育政策など女性が働きつづけることが困難な状況は改善されていません。教職員の現場においても若年退職の増加が問題となっております。これらの状況の改善こそ、政府や厚生労働省が取り組むべき課題であり、安心して子どもを産み育てられる、働き続けられる環境をつくることこそが必要です。
今回の発言に強く抗議し撤回を求めるとともに、ただちに厚生労働大臣としての職を辞することを求めます。さらに今後政府として、男女平等、女性の地位向上、仕事と生活を両立させ人間らしく働くための環境整備に全力でとりくむことを要求します。
以上