2023年、日本のジェンダーギャップ指数は146か国中125位でした。2006年の公表開始以来、最低の順位です。分野別に見ると、例えば「政治」は世界最低クラスの138位で、男女格差が埋められていないどころか、いっそう深まりを見せています。女性の政治分野における参加割合や女性管理職の割合が他国と比べて低いこと、非正規労働者における女性比率の高さなど、課題は山積しています。
また、今年6月に成立した「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(LGBT理解増進法)は、多様性を大切にしていくどころか、個人の尊厳を否定し、「多数者の権利」の名のもと性的マイノリティの人々の人権をせばめるもので、当事者や支援団体からも多くの批判の声が上がっています。
ジェンダー平等社会の構築をめざして、一人ひとりの人権が大切にされる社会を創造していくために、10月号特集「包括的性教育ってなに?」に関連して、今号でも人権を大切にした社会のあり様を問いながら教育の課題について考える機会にしたいと考えています。