東日本大震災・福島原発事故から11年。いまだ多くの人が故郷の町に戻れず、元の生活を送ることができない状況が続いています。
福島では原発事故処理の先が見通せないもとで、汚染処理水の対応や原発再稼働の動きなど、あったことがなかったかのように進んでいく現実が、被災者の心の復興をいっそう困難にしています。
11年を経た今、被災地では震災体験に向き合う困難や葛藤を抱えながらも、あらためて教育のあり方を考え合うとりくみに足を踏み出しています。
被災地の子どもの心のケアが依然として重要な課題となっているなか、子どもたちに寄り添い豊かな成長を保障するためにも、事実に向き合い伝える教育実践が求められています。
本特集は、復興11年目の被災地の現状と復興のあり方について問い直し、いま何が求められているかを考え合う一助としたい。