コロナ禍のもとで直接ものに触れたり場を共有したりすることが避けられ、子どもたちの楽しみな校外学習や理科実験、調理実習などができにくくなりました。また、高校職業科での実習、販売学習なども制限され、学習や進路保障への影響が懸念されます。
一方、GIGAスクール構想による1人1台端末の導入で、ICT機器の活用がすすめられています。実験や実習での学びにより新鮮な感動や発見に突き動かされたり、人とのふれあいのなかで主体的に活動したりする機会が減るなかで、学びが質的に変わることへの危惧も生じています。
深刻化する多忙化と人員不足、予算不足のなかで、現場では準備の時間や人手のかかる活動をあきらめる場合も少なくありません。本特集では、体験的な活動や実験・実習の授業づくりに奮闘する現場のとりくみとともに、豊かな学びをつくりだす実験・実習教育の意義についてあらためて考え合う一助としたい。