『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
専門部

女性部オンライン学習会で、性教育とジェンダー平等を考える

 女性部は、10月11日(日)の午後、「コロナ・パンデミックの中で、性教育とジェンダー平等を考える」をテーマに、ZOOMによるオンライン学習会を開催しました。当日は、全国から約150名の仲間が参加し、改めて性教育やジェンダー平等について学び合いました。

 女性部は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今年度の全国女性教職員学習交流集会を1年延期しました。そこで、何とか全国の教職員が一緒に学び合う機会をつくれないかと考え、初めてオンライン学習会を企画しました。

 当日は、5人のゲストスピーカの方々から、コロナ禍における女性労働者の状況や学生の状況、性教育をめぐる情勢の変化や課題、Youtubeによる性教育の発信の意義、特別支援学校寄宿舎や小学校養護教諭の性教育実践などの話を聞き、二人のコメンテーターの感想や質問によって学習を深めました。

≪感想より≫

○性教育・ジェンダーを考えるということは、いのちの問題、人権の問題なんだということを再認識する学習会でした。これまで潜在化していた、貧困や虐待・性虐待の問題が、コロナパンデミックの中で、いよいよ明らかになっています。苦しさを抱え、生活できない、生きていくことをあきらめる人が信じられないほど増えていること、とても悲しい恐ろしい現実だと思います。そんな中での、子どもを信じて確かなことを伝えていこうという言葉、大人目線の性指導ではなく子どもを中心に据えた語り合いによる性教育、命の愛おしさを出発点とした性教育の実践・・・大事にしたい視点がたくさんありました。

○多様な立場からのお話で大変刺激を受けました。コロナ禍の中、教員側に余裕がなくなり、息苦しさを感じています。殆どの行事が中止になり、「授業確保」が優先されて、性教育や行事は切り捨てられています。分断されがちなコロナ禍において、つながりあって支え合うためには、対話が必要で、対話のためには自分の置かれた状況を自分でつかみ他者に伝えるための「ことば」を獲得する必要があります。「理不尽に耐える力」ではなく「理不尽な社会を他者とつながり変えていく力」をこそ、学校はこどもたちに獲得させる場をつくらなければならないのではないかと、今日のお話を伺って、改めて感じました。

○パネリストの方の話全てが良かったです。特にシオリーヌさんの「抽象的な話で性を語るのではなく、具体的な行動レベルを性教育で伝えること」「自分をしっかり守るために正しい知識を伝えることの大切さ」「子どもたちを信じて誠実に向き合う」等の言葉にはっとさせられ、自分自身のこれまでの生活、指導を振り返るきっかけになりました。また、「外部講師に頼る」という部分にも深く共感しました。教職員同士が知恵を出し合うことも必要ですが、オンラインが発達した今は、これまでになく様々な業種の人と交流ができる良い機会でもあると考えます。多様な考え方に触れ、子どもたちを守り、生かすために、自分自身が柔軟な考えを持ち、いろいろな業種の方の意見を積極的に取り入れていきたいと感じました。

○性教育を必死にしていたころを思い出しながら聞いていました。改めて性教育が人権教育にかかわる大切なことだと痛感しました。「子どもたちを信じて、将来困らない意思決定ができる情報を伝えていくべき」ということが特に心に残りました。職場で隙間を見つけて話をしていけたらと思います。

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