全教・教組共闘連絡会と「障害児学校の設置基準策定を求め、豊かな障害児教育の実現をめざす会」(以下「めざす会」)は12月16日、現在の特別支援学校の過大・過密の解消につながる設置基準の策定を求める「提言」を記者発表しました。
学校教育法第1章第3条には「学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない」とあります。幼稚園、小学校、中学校、高校、大学などにはこの設置基準がありますが、特別支援学校にはありません。
教職員、保護者は、設置基準がないことが学校の過大化、過密化の大きな原因であり、「特別支援学校にも設置基準が必要」と訴えて運動を続けてきました。
今、長い間求めてきたその設置基準が、策定に向けて大きく動き出しています。全教・教組共闘連絡会と「めざす会」は、設置基準にこういう内容を盛り込んでほしいという意見を集めてきました。それらの意見も踏まえて、「提言」では、特別支援学校の設置基準に以下のことを盛り込むよう提案しています。
①設置基準の冒頭に、策定の目的として「教育環境を改善するため」と記載する
②児童生徒数の上限を150人以下に
③1学級2人以上の教員配置を
④教室(普通教室、特別教室)、図書室、保健室、職員室に加えて、どの障害種にも必要な特別教室(自立活動室、作業室、プレイルーム、ケアルーム等)の記載を
⑤通学時間は家から学校まで1時間以内に
⑥校舎・運動場・体育館・寄宿舎について、児童生徒数・学級数に応じて必要な面積を、障害種ごとに記載を
⑦既存校について、設置基準の適用外とせず、期限を示して計画的に改善する
この「提言」をもとに、実効性のある設置基準策定に向けて、関係する団体等との懇談や対話を広げていく予定です。