『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
専門部

文科省・総務省に学校司書の配置など学校図書館の充実を要求

 全教学校図書館職員対策部と日高教学校司書部は、12月3日、学校司書の配置など学校図書館の充実を求めて、文部科学省・総務省と交渉をおこないました。文科省には、全国からの「学校図書館の充実を求める署名」2万2864筆を第1次分として提出し、東日本大震災と原発事故からの学校図書館の復旧、図書整備費の大幅増額、学校司書配置に関する地方財政措置の充実、専任・専門・正規の学校司書の全校配置を要求しました。

 交渉には、全教・日高教からは、磯崎全教副委員長、五十嵐日高教中央執行委員、畑山全教対策部長(高知)、大山事務局次長(都教組)、山田日高教学校司書部長、好岡副部長、戸田常任委員が参加しました。
 文科省との交渉では、初等中等教育局児童生徒課の馬渡企画係長、文教施設企画部施設企画課防災推進室の櫻井災害復旧係長が対応しました。冒頭、磯崎副委員長から、2012年度から小中学校の学校司書の配置について交付税措置したことは重要な一歩だが、配置が自治体に広がるためには、引き続き交付税を措置し、いっそう拡充することが必要と述べるとともに、10月10日に「学校司書の法制化を考える全国の集い」が超党派の国会議員によって開催され、文科省から関官房審議官が出席し、「予算化しなければ配置はなされず、学校図書館の充実にはつながらない」と発言したことを紹介し、学校司書の法制化を要求しました。
 これに対し、文科省から、「文科省としても、学校司書の配置は大きな効果があると考えており、地方財政措置の継続を要望するとともに、自治体に学校司書配置の趣旨を周知していきたい」「学校司書配置にかかわる決算額(H23年度)を調査しており、年度内には公表したい」などと回答しました。また、福島のサテライト高校で仮設校舎の図書館が10畳しかなく4台の書架しか入らず、学校司書もいない実情を戸田常任委員が説明し、改善を求めたのに対し、「県教委から増設などの要望があれば予算措置できるので、出してほしい」と回答がありました。
 総務省では、学校図書館図書標準の達成のために地方交付税交付金が活用されるよう調査・指導を行うよう求めるとともに、学校司書の配置に関する地方財政措置の継続と拡充を要求しました。対応した自治財政局調査課の天野調査係長は、「交付税交付金の性格上、使途を限定することはできないが、調査結果は文科省からもらっている」「学校司書の配置にかかわる交付税措置を一旦つけてすぐ止めることはしない。来年度の伸びに注目している。地方公共団体からさらに充実してほしいとの意見があれば、拡充もありうる」と回答しました。
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