『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年12月号 11月20日発行〉

【特集】登校拒否・不登校から見える景色――安心できる居場所がほしい

  • 全教共済
専門部

全国寄宿舎交流集会in和歌山に160人が参加

 7月28日、29日の2日間にわたり、和歌山市で「2018全国寄宿舎学習交流集会in和歌山」が開催され、全国から160人の教職員が集いました。

 1日目の全体会では、小畑耕作さん(大和大学)による「自分の生活の主人公になるための土台づくりを考える」の記念講演がありました。とりわけ青年期に大切なことが重点的に話され、「職業検定などでできることが増えると自己肯定感が高まるという報告があるが、それは『競争的自己肯定感』で、これは新たな場所で『できない』ということに直面すればすぐにしぼんでしまう。本当に大切なのは、ふがいない自分も含めて受け止められる『共感的自己肯定感』である」というお話に参加者は深く聴き入っていました。

 講演後の「知っ得講座」は、6つのテーマ(①寄宿舎教育入門 ②労働条件 ③寄宿舎見学 ④麦の郷のとりくみ ⑤卒業後の生活を考える ⑥けん玉講座)があり、それぞれの講座で学び合ったり、実際に体験したりしました。

 2日目は5つの実践分科会(①子どもを主人公にした生活づくり ②保護者や学部との連携・共同 ③発達障害・自閉症のある子どもの生活づくり ④思春期・青年期の実践  ⑤寄宿舎の役割・あり方を考える)に分かれてレポート討議を行いました。各地からのレポート報告をもとに論議し、寄宿舎から豊かな教育実践を発信していこうという意欲的な討論が行われました。

 通学が困難でないと寄宿舎に入舎できないという「入舎制限」が全国的に強められる中、寄宿舎の教育的意義を広げ「教育的入舎」をもっともっと広げていこう、寄宿舎の可能性を広げていこうという想いにあふれた集会となりました。

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