6月29日政府は「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」を閣議決定しました。日本の教育、とりわけ障害児教育に重大な影響が想定されるこの決定に対して、全教障教部常任委員会は見解を発表し、全国からのとりくみを呼びかけました。
第一次意見は、2011年の通常国会に障害者基本法抜本的改正の法案を提出することを明記しています。障害者基本法では、教育にもかかわる基本的理念、国や自治体の責務、計画的な改善のとりくみなどについて定められます。
第一次意見は「すべての子どもは地域の小・中学校に就学し、かつ通常の学級に在籍することを原則とし、本人・保護者が望む場合・・・には、特別支援学校に就学し、又は特別支援学級に在籍することができる制度へと改める」と明記しました。通常教育改革がすすまぬ中で通常学級在籍を原則とすることは、障害のある子どもたちにとって重大な権利侵害となります。同時に現在多くの困難をかかえる通常教育における矛盾を一層拡大し、障害の有無にかかわらず子どもたちの成長・発達を阻害するものとなります。
現在、障害児の権利保障にかかわって特別支援学校等の劣悪な教育条件の改善は極めて重要な課題になっていますが、第一次意見はこれら課題の解決とも逆行するものです。
見解は、障害児教育の現状と課題、障害児教育の大切さを推進会議に伝えるとりくみ、障害児教育の豊かな前進を求める国民的な大運動を呼びかけています。